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上越教育大学大学院入学式 学長告辞(大学院) (令和8年4月)

 春の息吹が満ちるこの佳き日に、令和8年度上越教育大学大学院入学式を挙行できますことを、ご来賓の皆様をはじめ、ご参列の皆さまとともに祝したいと思います。新たに、専門職学位課程に167名の皆さん、修士課程に21名の皆さんをお迎えしました。ご入学まことにおめでとうございます。教職員一同、皆さんのご入学を心より歓迎いたします。

 皆さんはそれぞれの志を胸に、より高度な学びへと歩みを進められました。大学院での学修は、知識を受け取るだけではなく、自ら問いを立て、深く考え、実践へとつなげていく営みです。本学での学修の経験は、これから教員を目指す皆さんにとっては将来向き合う教育現場や専門領域において、確かな力となっていくことでしょう。また、すでに学校現場で教壇に立っている皆さんには、一歩進んだ新しい能力を開発することにつながっていくことでしょう。

 私たち教職員は、皆さんの思いが実現できるように様々な形で支援をさせていただきます。また、本学では、より高度な研究を希望する方々のために、専門職学位課程と修士課程のその上に、連合大学院博士課程も設置されています。この博士課程は、本学を含む6大学で構成されています。そうした進路もあるということを覚えておいていただければ幸いです。

 さて、上越教育大学は、昭和53年10月1日に新構想の国立大学として設置されました。設立当初から、本大学院は、現職教員の研修の場としての役割も担っております。こうした形で、ほぼ同時期に開学された教育大学は、本学以外に、兵庫教育大学と鳴門教育大学があります。本学も入れてこの3大学は、新構想の教育大学として、ほぼ同時期に設置されました。それから47年ほどの時が過ぎ、本学は、令和10年の10月には、創立50周年を迎えることになります。

 ところで、皆さんは、どういう思いで本学大学院への入学を決心されたのでしょうか。本学は「ぜったい先生になりたい人と先生のための大学院」を標ぼうしていますので、多くの方は教員になるという決意で入学されたのだと思いますが、大学院には心理臨床研究コースの修士課程もあります。公認心理師や臨床心理士として活躍したいと望んでいる方もいらっしゃることと思います。教育大学は、いわばミニ総合大学のような一面があって、さまざまな専門家が大学教員として教鞭をとっていますので、皆さんが選んだそれぞれの専門の道を究めていただきたいと願っています。

 大学院という場所は、学校教育法の第九十九条では、「学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする」と記されています。与えられた知識を学ぶだけではなく、これまで以上に、自分の頭で考え、批判的思考によって、理論や実践をとらえなおし、そこでの学びを実社会で活用できるまでに自己の能力を高めることが求められると言ってよいでしょう。

 私は大学及び大学院では、哲学を学びました。高校生のときに読んだ、講談社現代新書のシリーズの中にあった『ウィトゲンシュタイン』という本がきっかけで、哲学に嵌まったのですが、その思想よりも先に、その生き方に魅せられたと言ってよいように、今では思っています。

 ウィトゲンシュタインは、1889年に、オーストリアのウィーンで裕福な家に生まれ、そこで育ちました。ベルリンのシャルロッテンブルク工科大学に在学中に、数学基礎論への関心から、イギリスのバートランド?ラッセルという哲学者を訪ね、その後、ケンブリッジ大学への入学を認められます。ケンブリッジで論理学に関する学位論文を出そうとしたところ、注がついていないからという理由で提出が認められずに、悪態をついたと言われています。しばらく後に、オーストリア?ハンガリー帝国軍の志願兵として第1次世界大戦に出ますが、塹壕の中で、論理学に関するメモを書いていたようです。そして、このメモ書きなどをまとめたものが『論理哲学論考』という書物として出版されます。

 この出版によって哲学の問題はすべて解決されたと考えたウィトゲンシュタインは、オーストリアに戻り、教員養成学校に通い、なんと、小学校の教師になります。しかし、体罰問題などで保護者とトラブルを起こし、けっきょく教職をやめる羽目に陥ります。

 その後、イギリスにもどったウィトゲンシュタインは、すでに出版されていた『論理哲学論考』を博士論文としてケンブリッジ大学に提出し、ケンブリッジで講師として採用され、のちに教授になります。

 この『論理哲学論考』という本は、日本語で読めますが、注もついてはおらず、命題が列挙されているだけなので、読んでみても、なんのことかよくわからないのです。しかし、これが20世紀の英語圏の哲学に大きな影響を与えたと言われています。

 私は、『ウィトゲンシュタイン』という本を読みながら、とても変わった人だなと思っていました。彼は、人生にも哲学にも論理学の基礎づけについても、一生懸命に考え続けた人なのだろうと思います。しかし、その都度、自分の人生が自分の思うようには動いていかないという悩みを抱え込んでいたのではないかとも思います。

 私も、自分の人生が自分の思うように動いていかないと思っていますが、それでも人生は続いていきます。努力が報われなくても、それでも努力し続けるしかないとも思います。

 皆さんの人生は、これからいろんな方向へ展開していくのだと思いますが、たとえ、困難に出会っても、簡単にはあきらめないでください。この苦しみも、明るい未来への道に繋がっていると考えて、頑張っていただきたいと思います。

 さて、学習意欲があふれている皆さんにも、息抜きは必要でしょう。この上越地域の観光名所や美味しい食べ物のことも少しばかりお伝えしておきます。

 上越は、豊かな自然に囲まれた地域です。北には、日本海があります。海の幸が豊富です。釣りもできますし、海水浴場もあります。マゼランペンギンの数が日本一多いという水族博物館もあります。親鸞上人上陸の地と言われている居多ケ浜もありますし、高田駅の西側、寺町通にはたくさんの寺院があります。今の季節は、高田城址公園の桜がきれいですし、7月中旬になると、公園のお堀に蓮の花が咲き始めます。とても見ごたえがあります。

 国道8号線を西に向かえば、上越市の隣の糸魚川市には、フォッサマグナパークもあり、約1600万年前の東日本側の岩石と約4億年前の西日本側の岩石が接している様子を見ることもできます。糸魚川は、古来よりヒスイの産地として知られていますが、今年2月に、ラピスラズリという鉱物が国内で初めて見つかったというニュースが話題となりました。さらに西に向かえば、北陸新幹線で石川県金沢市まで約1時間で行くことができます。

 東に向かえば、東隣の柏崎市には、恋人岬とも呼ばれる鴎が鼻展望台があります。上越市から南下すれば、妙高山や火打山などの山々があります。里山での散策も、本格的な登山もできます。山々にはスキー場もあります。温泉もたくさんあります。もちろん豊かな山の幸もあります。大量のナウマンゾウの化石が発見された長野県の野尻湖まで車なら1時間もかかりません。長野市も、新幹線で20分程度です。勉学に疲れたときには、こうした豊かな自然やこの地域ならではの食や文化を楽しんでいただきたいと思います。

 結びに、本日ご臨席いただきましたご来賓の方々、また、とくに遠方よりおこしいただきました関係者皆様には、ご参列いただきましたことを感謝申し上げますとともに、新入生の皆さんの学究生活をさまざまな形で支援することをお誓い申し上げて、告辞といたします。

令和8年4月6日
国立大学法人 上越教育大学長
林 泰成


このページは上越教育大学/総務課が管理しています。(最終更新:2026年04月13日)

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